本日の作業は、ROTAX MAXの点検作業。このエンジンを使用するレースは全国のSLレースに組み込まれたり、地方選手権のFS-125クラスなどで使用され又、最近ではMAX全国大会が岐阜県の瑞浪レークウェイで開催されエントリーにキャンセル待ちがでる程の大盛況でした。ハイパワーエンジンの上にオーバーホールの回数が少なくてすむのも、人気の秘訣でしょう。
このエンジンの吸入方式はピストンリード・バルブ方式と言うべき、非常に興味があると言うか面白い構造になっています。と言うのもピストンバルブならばKTやPRDなどのエンジンに採用されている吸入方式でピストンの動きにより吸気ポートを開閉します。リードバルブエンジンではROXや全日本選で使用されるクランクケースにリード弁が取り付けられ直接、クランクケースに吸入される方式で、その両方を兼ね備え、吸気ポートと掃気ポートもそれぞれ、両方の役目も兼ねています。シリンダーはメッキ加工されていること、エンジン回転数が14000rpm以下に抑えられているなどで、約1年使用しているエンジンですが、シリンダーの歪は殆どありませんでした。
腰下のクランク周りも約1年使用していても、異常は見つからず結構しっかりしている印象を受けました。又水冷エンジンの為、内蔵のウォーターポンプを解してケース、シリンダー、シリンダーヘッドの周りは水が流れています。普段はこのシリンダーヘッドの上にカバーが付いているので、お目にかかることは少ないですが、湯たんぽのような印象です。排気バルブもこのエンジンの特長で排気圧を利用して可変式に排気ポートのタイミングが変えられるようになっています。ますます興味深いエンジンです。
もちろん単品でもガスケットは有りますが、このようにエンジン用、キャブ用とキットのガスケットもあり今回はキットで作業しました。キャブレターはダイヤフラム方式ではなくバイクなどで使用されていますフロート方式となっています。このフロート方式のキャブレーターのジェット合わせやフロートレベル、などなどのセットアップでエンジンの特性が変わるようです。
おまけの作業:ウォールブローのキャブレーターのオーバーホールの際に凄いごみの量を発見、結構キャブ内のフィルーター部にゴミが付いているのは、よく見かけますがここまで行くとゴミを超えて物体でした。しかしこの繊維見たいなゴミ何に混ざっているのかと思います。